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メディア論「ソーシャルメディアパラドクス」


メディア論「ソーシャルメディアパラドクス」 | six1ブログ 

 

ソーシャルメディアによる情報の加速化が、メディアの寿命を短命化させる。そしてそれがさまざまな分断を引き起こし、それがまるで地層のようにクラスメディアを発生させるという内容です。(ご興味あれば。)

● 成功から衰退のスピード

林雄二郎さんの「情報化社会」という書籍があって、これは情報化社会を論じた名著なんだけど、その中にこういう表現があります。

「文明前の時代というのは、物理的な時間こそ非常に長かったが、その間に人類社会においておこった変化は、ほとんど取るに足らないものであったろう」「実際問題としては何代もの世代にわたってまったく同じことの繰り返しの連続だったのではないだろうか。」

「(今の時代は)つまりわれわれ人間社会の姿は文字どおり日進月歩で日々その姿を変えるという状態になってきたのである。そうなってくると、現実のわれわれの生活の中に世代による考え方の違い、あるいは同じ世代でも時代の変化とともに敏感に感応していく人と、そうでない人との間には何かにつけて大きな違いがおきてくる」

昔は本当に変化が少なかったけど、情報化社会においては変化がものすごく大きくなっているという話です。

例えば、一定規模以上の企業の出現数は、過去と比較して、今の時代のほうが圧倒的に多いらしく、1920年~1930年のS&P500の企業平均寿命は65年でしたが、1990年代には15年、2010年には10年に短命化しているというマッキンゼーのレポートもあるそうです。

企業の新陳代謝、つまりは一つの企業・サービスが成功して、また衰退(陳腐化)するスピードは圧倒的に速くなってきています。

● コモディティ化

各種ウェブサイトをみても、その成功から衰退する期間は圧倒的に短くなっています。

例えば、直近の求人メディアの流れをみてみると、

「新聞」→「求人専門誌」→「インターネット求人サイト」→「???」

という流れが過去にあったと思うのですが、それは恐らく「先進性が高いメディア」が「コモディティ化」する中で、「新しい先進性が高いメディア」にとって変わられるという歴史だったと思います。

ちなみに求人メディアがコモディティ化すると、以下の特徴が現れます。

● 専門性が高い募集が減少し、営業職や一般事務職等の対象人数が多い求人が増加する。
● (当然のように)広告単価が低下する。

そうすると、どちらが原因でどちらが結果なのかは難しいところですが、専門職の求人は、新しいメディアへと移行が行われることになります。

● つながりが分断を引き起こす

 

あらためてなんですが、以下のような状況が発生していきます。

「(今の時代は)つまりわれわれ人間社会の姿は文字どおり日進月歩で日々その姿を変えるという状態になってきたのである。そうなってくると、現実のわれわれの生活の中に世代による考え方の違い、あるいは同じ世代でも時代の変化とともに敏感に感応していく人と、そうでない人との間には何かにつけて大きな違いがおきてくる」

結局のところ、メディアやサービス寿命の短縮化は、情報伝達スピードに比例して短くなっていきます。

 

FacebookやTwitterといったソーシャルメディアが一般化した現在では、ある情報が伝播するスピードは格段に早くなっていくため、先進性をもったメディアが、コモディティ化し、その先進性が失われていくスピードは、SNSの成長とともに、次第に早くなります。

といっても、コモディティ化する中でも、当然そのサービスを使う人はいるわけで(より普通の人が利用することになるわけで)、結果として、年代やITリテラシーによって分断が発生していきます。

繋がりが重視されるソーシャルメディアが、サービス寿命を短縮化する。つまりは、つながりが分断化を引き起こしているというのが現状だと思います。

結果として、新しいものを求めるアーリーアダプターと、それぞれのメディアサービスに取り残される人達が連続的に発生し、結果として、すべてのメディア、通信インフラ、サービスがクラスメディアとして機能することになります。

クラスメディア
何らかの共通性を持つ集団を対象とした情報媒体のこと。(Class Media)
効果的な広告を展開するにあたり、年齢・性別・社会階層・職業・ライフスタイルなどが似た集団(クラス)に対して、その共通する趣味や嗜好をターゲットにした広告活動を行う。
特に、雑誌広告などがその典型である。

例えば、今後、ガラケーはシニアのクラスメディアとなるでしょうし、(もう死に瀕している)Blackberryは数年まえまでは外資系高年収層のクラスメディアでした。

※ Blackberryのアプリって、外資系高年収人材獲得のブルーオーシャンでしたよね。きっと。

● すべてがクラスメディアになる時代に

すべてがクラスメディアになる時代では、プロダクト・企画をつくる際には、なによりもそのプラットフォーム(OS、インフラ、SNS等)の選択が重要になってきます。もちろんコンセプト等の差別化も重要ですが、それ以上にプラットフォームの選択を間違う、もしくは加速化する対象ユーザーのプラットフォーム移行を認識できないほうがリスクがあります。(しかもユーザーの移行は不可逆です。)

もし先進性の高いユーザーを対象としたメディアであるならば、常にプラットフォームの移行を意識しないといけないですし、早い対応こそがアドバンテージとなると思います。

ソーシャルメディアによる情報の加速化が、さまざまなフラグメントを発生させ、それがまるで地層のようにクラスメディアを発生させる。そしてそれを意識しないといけないぞ!というお話でした。

すべてのOS,サービスをクラスメディアとして考えたほうがいいのになという、考えを整理してみました。

 

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スタートアップ

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Written by 福田 智洋

1974年 群馬県高崎市生まれ。 明治大学法学部卒業。 杉並区阿佐谷在住(20年目)。群馬県高崎市出身。 大学卒業後、エン・ジャパンの創業メンバーの一人として勤務し、入社以来インターネットのサイト企画・事業企画責任者を歴任。2013年4月、シックスワン株式会社を創業。 https://twitter.com/tomohirof

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