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企画論 「物語としての企画書」


企画論 「物語としての企画書」 | six1ブログ 

いままでは「企画」の作り方でしたが、今回は「企画書」の作り方です。

企画と企画書は、全く異なるものですが、得てして同じような扱いになってしまっていることが多いように思います。

一般的な企画書の作成とは、ちょっと違うのかもしれませんが、私なりの企画書の作り方を考えてみたいと思います。

はじめに

個人的には、「出来の悪い企画書」にはあまり価値を認めません。

小説家が、頭の中でどんなにいいストーリーを書いていようと、それを文章にできなければ意味が無いように、どんなにいい企画やアイデアでも、それを正しく企画書に落としていなければ、意味がありません。

良い文章を書けない小説家が「頭の中でいい物語があるんです。」とは言わないと思うのですが、企画担当のひとは平気でいいそうな気がするんですよね。「企画書はイマイチだけど、アイデアはいい」って。

 

出来の良い企画書

では、出来のよい企画書とはなんなのか。

それは「企画の内容を正しく理解させ、かつこちらの意図した感情を喚起させるもの」です。

感情」というと違和感を感じる人がいるかもしれませんが、「読み手の感情や思考を理解する」という概念を持たなければ、そもそも企画書を作ることもできません。

私は企画書を、物語のプロットのように考えています。映画をつくるかのように、シーンを考え、配役をし、そこで演出をしていきます。

「机の上のリンゴがアップになっていく映像」も何かしらの意図があって撮影されているように、企画書の全ての要素に意味があり、またそれは相手にどのような感情(感動)を与えるのかで設計されるべき、と思っています。

部下の企画書を見るとき、「この企画書を読んだ後の「理想の感想」を教えて。」という質問をします。

「●●はスゴイ」なのか「儲かりそうだね。」なのか、「厳しいビジネス環境だな。」なのか、どのような感情を喚起したいのかで、企画書の内容は全くことなってくることになります。

 

企画書作成時のポイント

そのような内容をうけて、企画書の作成のポイントを整理してみます。

ポイント

● スライド毎のゴールを設定する
● 思考を追体験させる
● 読み手の期待に応える
● シンプルなデザインを心がける

 

● スライド毎のゴールを設定する

20枚のスライドであれば、それは20枚である必然性があります。企画書のスライドのそれぞれが、ある意味、このプレゼンというショーの役者であり、それぞれに配役された役割をもっています。また当然、それぞれの役割が、無くてはならない役割である必要があります。

役割というのは、単純に言えば、読み手に「どんな感想をもってもらいたいのか」ということです。驚きだったり、喜びだったり、不安だったりと、様々な役割を担います。

「競合が急成長している」という情報ですら、不安を喚起することもできますし、といっても大丈夫という安心を伝えることもできます。

様々な選択肢の中から、スライドの役割を決めて、それを実現するように情報を配置することが、まず意識しなければいけない内容です。

「読み手の感情の制御」が目的ということは、明確に「情報から受ける印象を、読み手側に委ねない」ということです。

● 思考を追体験させる

企画書は「結論」を伝えるものではなく、自分自身が結論にたどり着いた道筋を読み手に追体験してもらうプロセスです。

例えば「困ったり、悩んだりした」ところは、それぞれにどのような戦略オプションが存在していて、どのような判断を下したのか、そのプロセスを追体験しなければ、結論の納得性も低いものになってしまいます。

映画の中で、様々な障害があったからこそ、ハッピーエンドを幸せに感じるように、読み手にも、途中の思考プロセスを追体験してもらいましょう。

もちろん長時間考えた問題は、企画書の中では綺麗に整理し、スムーズに理解できるようになっているべきです。

● 読み手の期待に応える

ホラー映画とかで、真っ暗の洋館の部屋に一人でいるシーンがあると仮定します。登場人物は気づいていないのですが、カメラは部屋の奥にある窓を映し出します。

外は真っ暗でなにもみえません。ですが、カメラは段々と窓の外の暗闇に近づいていき、効果音もより大きな音になっていきます。

 

もう絶対、そこにおっかないヤツいますよね。もう絶対。

カメラが窓に近づき、効果音が大きくなっている時に、視聴者は既にそこに化物の姿を期待しているんです。

企画書も同様です。スライドを見ている時に、次のスライドはどのようなモノなのかを期待(予想)しています。

その期待に答えるべきであり、それこそがスライドがしっかりとした設計のもと連続性をもっている現れだと思います。

またホラー映画でも「オバケでて来そう」に見えて出てこないことがあるように、意識的に期待を裏切ることもあっても構いませんが、多用するものではないですね。

● シンプルなデザインを心がける

企画書は、読み手の感情を操作するものである以上、企画書のデザインから受ける印象はとても重要です。ですが、必要以上に装飾を施すのではなく、シンプルなデザインでいいのかなと思います。世の中には綺麗な企画書をつくる書籍ってたくさんうっているので、そこで必要最低限のレベルはクリアしておきましょう。

重要なのは企画(ストーリー)であり、付帯的要素の「CGがスゴイ!」とかそういうのはあまり重要ではありません。

 

企画書作成時に意識するポイント

● スライド毎のゴールを設定する
● 思考を追体験させる
● 読み手の期待に応える
● シンプルなデザインを心がける

整理をすると、企画書はまるで物語のように「読み手の感情を意識すること」が何よりも重要で、その感情を確認しながら作成をしていくべきです。

プログラム開発手法で、テスト駆動開発というのがありますが、これも仮想の読者を配置し、そのテストをクリアできるか否かで、企画書の内容を改善していくという意味では、近いものがあるかなと思います。

「課題」や「コスト」や「スケジュール」とかが必要!という企画書の基本的なフォーマットは、いろいろな本やウェブページがありますので、それをみてみてください。(そんな基本的なことは丸投げです。)

一般的に言われている視点とは、ちょっと異なった形で、企画書の作り方を考えてみました。参考になれば嬉しいです。

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他にもいくつか企画論を書いています。
こちらも宜しければ是非。

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ビジネス , マーケティング

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Written by 福田 智洋

1974年 群馬県高崎市生まれ。 明治大学法学部卒業。 杉並区阿佐谷在住(20年目)。群馬県高崎市出身。 大学卒業後、エン・ジャパンの創業メンバーの一人として勤務し、入社以来インターネットのサイト企画・事業企画責任者を歴任。2013年4月、シックスワン株式会社を創業。 https://twitter.com/tomohirof

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