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「情報サイトの検索機能」に関する考察


「情報サイトの検索機能」に関する考察 | six1ブログ 

 

pinterestの人気は留まるところをしらないのですが、pinterestが流行るとみんなpinterest的な検索結果画面になるのが面白いなーと思ってます。

ものすごく当たり前のことなんだけど、何かと何かをマッチングさせるというサービスを企画してきて思うことは、最適なマッチングを実現させる方法論は多様であるということです。

 

だれかが、車を購入するために検索するサービスがあるとします。その際の目的の車を見つけるための検索の方法論はバリエーションがあります。普通に考えたら、予算やメーカー等の条件を登録して検索をするんだと思います。

 

では、結婚式場を探す場合はどうでしょうか。予算と場所の条件で検索をする場合もありますが、もっと非言語的なチャペルの雰囲気で決めたりするのかもしれません。

 

では、高級時計は?もちろん購入ブランドが予算が決っていれば大丈夫でしょう。でもプレゼントではどうでしょうか。この場合はけっこう困るかもしれません。検索の軸をもっていないので、検索フォームがあっても検索をすることができません。

 

では、明日のおやつを選ぶということで、おかしの検索サイトがあったらどうでしょう。そんなにしっかり絞り込まないないで、ぱらぱら上からみる形のほうが良いかもしれませんね。

 

私たちは「検索フォームがあって検索結果のリストが表示させる」という基本的な機能に関しても、そのままで良いのかという、疑問の提示を行なう必要があると思います。

簡単に「よりよい検索をさせるためには、より細かい検索軸を用意する」という方向性に行きがちですが、しっかりと考えないといけません。

 

ユーザーを区分する

まず前提として、検索するユーザーが目的物に対する十分条件を理解しているか否かが、大きな分かれ目になります。

十分条件を理解していれば、その検索軸を用意してあげればいいですが、理解していなければ検索軸を用意しても意味がありません。

 

それらを踏まえると、情報サイトの検索は、以下のような区分になるのではないかと考えています。

A領域

Aの領域は、リスクが低く、かつ十分条件が明確な領域です。

この領域は、自分自身で何が良いのかがすぐにわかる領域です。例えば、学生が探すアルバイト情報とかここに含まれます。
この領域では、少ない情報をパラパラと閲覧するような検索結果の表示が適しています。
例えば、Pinterest的な表示方法も向いているかもしれません。

B領域

Bの領域は、リスクは低いですが、必要条件のみがわかっている領域です。

この領域は、自分自身で必要な要件はわかっていますが、それがどのようなものなのかわからない領域です。例えば、結婚式場を探すサイトなどがここに含まれます。

こういう結婚式を挙げたいという希望は、どの条件で検索をしたらでてくるかはわかりません。この領域では、検索をして絞り込むのではなく、様々な情報を横断して閲覧するような表示が適しています。

例えば、ウェブマガジンのような表示が良いかもしれません

C領域

Cの領域は、リスクは高いですが、十分条件がわかっている領域です。
自分自身で検索できますが、リスクが高いので、細かい情報、網羅的な情報が求められます。例えば、転職情報サイトがこちらに含まれます。
細かい検索方法と、詳細な情報を表示するような表示が適していると思います。

D領域

Dの領域は、リスクが高く、かつ十分条件がわからない領域です。
この領域は、自分では決められない領域です。だから第三者からの提案が必要になります。

例えば、人材エージェントが機能しているのはこの領域ですし、留学先を決めるサービス(海外に対する不安が存在)とかもこういった領域かもしれませんね。この領域は対面のカウンターサービスが有効に機能します。

 

上記内容を踏まえて、意識しないといけない点を整理します。

●検索軸を細かくすることが機能するのは、Cの領域のみ。

 


多様な検索軸を用意することで、マッチングの精度向上を実現しようとしがちですが、その方法論が有効に機能するのはCの領域のみです。それ以外の領域では、意味がないか、もしくはより複雑な印象をあたえるだけになります。

● B、Dの領域では、「提案」が必要。


B、Dの領域では、自分自身のもっている情報だけで決定することができませんので、サービスサイドからの何らかしらの「提案」が必要になります。

ウェブサイトはこの領域は不得意であり、現在もカウンターサービスが有効な領域になります。またそのため、利益率はともかく、相対的に高価格を維持しています。

単純に、検索軸の多様性により、この領域を攻めようとしても失敗します。

● 経験・知識習得により、移行が行われる。


B、D領域のユーザーは、知識習得を行うことで、自分自身で判断が可能になるため、A、C領域のサービスでも、対象を発見できるようになります。

ですが、移行が行われる条件として、対象がA、C領域に存在していることが必要です。

最後に

今回は、情報サービスにおける、検索のあり方に関して、整理してみました。情報サービスの検索一つとっても多様な方向性があり、それらを意識する必要があるなっておもってます。

 

 

ビジネス , マーケティング

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Written by 福田 智洋

1974年 群馬県高崎市生まれ。 明治大学法学部卒業。 杉並区阿佐谷在住(20年目)。群馬県高崎市出身。 大学卒業後、エン・ジャパンの創業メンバーの一人として勤務し、入社以来インターネットのサイト企画・事業企画責任者を歴任。2013年4月、シックスワン株式会社を創業。 https://twitter.com/tomohirof

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