(転載)記録史上最大の地震に関する、一サラリーマンの記録。
これは、2011年3月12日に福田が書いたエントリを転載したものです。震災の事を忘れないようにこちらに転載しておきます。
前日
奥さんから、家の金魚が死にそう。。というメールが届く。死んじゃうと息子が悲しむね・・と話をする。
家にかえると、金魚は既に力なく浮かんでおり、水を吸い込んでは吐き出す循環装置の吸込み口に、金魚は引き込まれそうになっている。そんな水の流れは通常ならば感じることすらできないのに、金魚が水にあらがう姿をみると、手に取るようにわかる。
最後の時間くらいゆっくりさせてあげようと、循環器をとめると、金魚は浮いたり、沈んだりしている。
明日の朝はもう無理かもしれないなと思いつつ、寝ることにする。
当日朝
起きて、水槽をみると、金魚は元気に泳いでいる。おっ、昨日の状況は何だったんだろうと思いつつ、エサをあげる。
昨日は一切、エサを食べなかった金魚はエサをパクパクたべる。いいね。
当日昼
ランチの時間に仕事があったため、13時からランチを食べる。
麻婆豆腐を数ヶ月ぶりにたべ、かつ朝もあまり食べなかったので、ごはんもおかわりしたりする。本当にお腹いっぱい。こんなに食べるのは本当に久しぶり。
地震発生
新宿の高層ビルの35階の揺れはまるで船の上にのっているような印象になる。
地震の最初は、いつもアレ、めまい?という感覚から始まる。そのうち、地震だという声が大きくなってくる。
前回の地震がマグニチュード7.2で、それは阪神淡路大震災のマグニチュード7.3と等しいエネルギー量だったので、そこまでの大きなエネルギーにはならないのではないかと思っていくと、地震の揺れはより大きくなってくる。
ステレオのボリュームをだんだんと上げていくように、大きな揺れとなってくる。
地震の揺れが苦手な女性は、顔が青ざめている。
机の下にはいってください!と声をあげる社員がいる。そういう声がけをする社員は素晴らしいなと思う。
これは大きな地震だけど、自分ができることは限られているので、自分が対処できる範囲ならば対応するし、対処できない範囲ならば仕方ねぇなと思い、座っている。
アーロンチェアは地震にたいして、適切に吸収しようとするから、逆に揺れるように感じる。
総務の方が別のフロアから走ってきて、安全の確保のために声を上げている。
我が社のオフィスの中で、地震の中でもっとも早く、かつまともなを対応をとっていたのは彼だった。私はiPhoneでビデオをとっているわけで。。
揺れも弱まってきたので、椅子に座っていると気持ち悪くなるので、立ち上がって外の高層ビルをみると、そとの高層ビルがまるで模型のように揺れている。すごいな。
外を見ていると、空は雲に覆われていて、天気がよいときにみえる富士山がみえなかった。「マンガだったら、雲があけたときに、富士山がなくなっているんだけどな。。」と同僚と話をする。
窓の外の雲をみて、「あれが地震雲ですよ。関東大震災のときもでたそうです。」と話す女性がいる。
どうみても普通の雲で、地震雲というのは常に結果論として生み出される雲なんだろうなと、考える。
発生30分後
ちょっと船酔いみたいな感じになったので、自販機で水を買い、エレベーターが止まっているので、階段で別フロアにのぼると、非常階段の壁にヒビがはいっている。
トイレにいくと、地震で酔ったためか、吐いている方が多くいる。
トイレの個室のドアが、ビルのゆれで、バターン、バターンとすごい音をたてている。このドアで怪我した人もいるんじゃないかな。
ギギギとビルがきしむ音がしている。
情報
Yahoo!のトップページの地震速報の表示がいつもより簡素な感じになっている。これは大きな地震なんだなと思う。
その後、マグニチュード7.9(不確か)くらいの表示がされて、阪神大震災をこえるエネルギーと驚くが、それすらも過小の数値で最終的にマグニチュード8.8の数値が表示される。
地震の発生直後から、Twitterを中心とした情報の共有が行われはじめる。
無事とか無事じゃないとか、こんなニュースが流れているなどの情報は、役に立つ役に立たない関わらず、人々を安心させているようにみえた。
その安心をたしかめるように、また人がTweetをしたため、多くの人の精神を安定させたが、正しい情報という意味では、個人的に飢餓状態を感じる。
死傷者情報は一切でてこない。
集合知という概念は、「一定期間内の情報量が閾値をこえると機能しなくなる」と感じる。Twitterは情報を取得する場所というよりは不安なみんなが手を取り合っているように見えた。
整理された確定した情報がほしく、NHKがみたいと思うが、PCやiPhoneでは閲覧ができなくて残念。。と思っていると、中学生がNHKをUstreamを開始したという情報がTwitterでながれる。
様々な大人がTwitterで不確かな情報のRT合戦をしている中で、中学生の冷静な対応はこれもまた素晴らしいアクションと思う。
このUstreamを一つのディスプレイに流しながらみていると、これは本当に大きな地震であり、あの津波の規模であれば、甚大な被害が発生していることに疑いはなかった。
でも、もしみんなが避難してくれていたらいいなと楽観的な気持ちをもつが、その気持ちはもちろん裏切られる。(2011/03/12 7:27時点での裏切られ方よりも、今後もっと大きな被害が明らかになるんだと思う。悲しいけど。)
通信手段
当然メールの遅延が発生する。メールは地震発生直後のほうがつながるように感じられた、きっと人的・システム的なメールのリトライが発生して、雪だるま式にメールサーバの負荷が高まるんだと思う。
携帯電話はもちろん普通になり、固定電話の強みをあらためて再認識する。
その中で、連絡手段として圧倒的に強かったのが、Skypeを始めとするPtPのコミュニケーション手段だった。
メールの到着に1時間とか普通にかかる中で、リアルタイムにコミュニケーションがとれ、音声通信も普通にできるのは本当にすごかった。
TwitterもDMも連絡手段としたかなり役だった。でもiPhone宛のプッシュ通知やメール送信が止まっていたので、Twitterに張り付く必要はあったけど。
交通手段
地下鉄・JRはすべて機能を停止し、都市部の交通網は麻痺する。
この規模の地震の影響を調べるのは、かなりの時間がかかることが想定され、今日の運行開始は無理だろうなと思う。
結局、翌日の今まで、交通機関の麻痺はつづき、帰宅難民がでることになる。
夜には、公共機関や学校が場所を解放し、帰宅できない人たちの受け入れを開始する。例えば、我が家もだれかの受け入れはできたはずだったよなと思うがなかなか難しい。。
18時も過ぎて、会社から歩いて帰ることになる。家までは何回か歩いているので、特に不安もなかった。もうこういう経験はないといいのだけど、家にかえれるかのチャレンジはしておいたほうがいいのかもしれない。
同僚と歩きながら、「都市部ってやっぱり安全ですよね。だって歩いて帰れるし、道は明るいし」という話がでたのだけど、東京は被害がすくないからで、被害がある一定レベルを越えると、人が集中しているということが逆に危険につながるはずだよ。安全なときは都会は便利というだけじゃないかな。と話をする。
コンビニは食料の補給とトイレの貸し出しでフル稼働している。
自転車屋さんにある程度の人が集まっている。購入した自転車で帰るのだろう。信号待ちをしていると、友人に自転車をかりたであろう人が、「これから40KM。がんばれよ!」と声をかけられている。大げさかもしれないけど、がんばってほしいな。
公衆電話は無料開放されている。多くの人が公衆電話に並んでいるのをみて、公衆電話はこんなに数があるのかと改めて思う。もしソフトバンクがNTTを買収したら、絶対に公衆電話は撤去されてるなと思う。「無線LAN網があるから大丈夫!」みたいな感じで、上戸彩さんが笑顔で撤去するな。
無事、家につくと、奥さんと息子が心配そうにまっていた。東北地方で大きな悲しみが存在しているが、まず家族が無事なことを喜ぼうと思った。
次の日
朝をおきると、テレビは、より大きな被害が報じられている。1000人を越える死者や不明者がでている様子。
もう起きてから3時間くらいテレビをみているが、改めて大きな地震だったと再認識する。
実際、昨日から、気を常に張っている状態なのかもしれない。外に出たら、あまりの天気の気持ちよさにびっくりした。青い空と透き通った空気がそこにはあった。
犬を散歩しているおじいさんがいて、工事中の家の前では坊主頭の大工さんが、笑顔で工事現場をみていた。
そこには普通の日常があった。いや、普通の日常よりも素敵な土曜日かもしれない。
私たちが甚大な被害に遭われたかたと同じ気持ちになる必要はないのではないか。逆に私たちは元気にできることをやるべきなんだと思う。
UstreamでNHKを放送した中学生のように、私たちはできることをやらないとなと思う。
東京電力から、今日の夕方に電気の供給量を需要が上回るようです。私たちは私たちできることをやる。その意識を持つべきではないかと思う。
最後に
原子力発電所のトラブルはいまも非常に危険な状況で、その問題が解決されることをいのります!
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