インタレストグラフに関する困惑、あるいは、その原因について
『ソーシャルコマースサービス「mixiモール」、ミクシィとディー・エヌ・エーが提供開始』という事もあり、インタレストグラフがどのようにビジネスに繋がるのだろうか?とここ数日思っている。
○「誰と」が重要なソーシャルグラフと「何と」が重要なインタレストグラフ。
○人と繋がるソーシャルグラフに対して、モノや事象と繋がるインタレストグラフ。
○インタレストグラフを活用したら、その人が、何に興味を持っているのかがわかり潜在ニーズの掘り起こしができる。
「インタレストグラフ」という概念、消費財メーカーの方やマーケティング関連の方のアテンションを集めている言葉だと思う。しかし、この概念、どうにも解りづらくはないだろうか?
そもそも、インタレストグラフというグラフは、どんなグラフなのだろうか?
モノを主体として、私や他の誰かに繋がっているグラフなのだろうか?そして、そのグラフとソーシャルグラフは関係があるのだろうか?それとも、インタレストグラフは、ソーシャルグラフを強化する因子なのだろうか?はたまた別のものなのだろうか?
ソーシャルグラフはあるのだが、インタレストグラフがお互いに無い人間関係はとても不毛なんじゃないか?そんな上司と部下の関係って、すごいつらい。転職したくなる!一方で、インタレストグラフすごいのに、ソーシャルグラフ無いってせつない。片思い?とか、そんな事を思ってしまうのだ。
昔もあったインタレスト系サービス
ところで、この議論って、ずーーーっと前にネット上で流行した、オプトインメールという概念に似ていると思う。
そのオプトインメールの雄ともいえる、アルトビジョンが提供していたVmailが登場した時のプレスリリースは以下だ。
2000年01月20日
ネットエイジ、オプトイン・メールサービス”Vmail”を開始~本格的パーミション・マーケティングの実現~インターネットビジネスの開発・運営を行う、株式会社ネットエイジ(東京・渋谷、西川潔社長、電話:03-5459-2255)は、オプトイン・メールサービス “Vmail” を本日より開始いたします。
オプトイン・メールサービスとは、ユーザーが自発的に選択した項目に関する広告型Eメール配信サービスです。ネットエイジでは、「自発的(Voluntary)」および、「価値ある(Valuable)情報」のVを冠し、Vmailとしてサービスを行います。
—-略—-
■ ご利用の仕組み
ユーザーはVmailを無料で利用でき、ウェブサイト(http://www.vmail.ne.jp/)上にて、200ほどに細分化されたカテゴリーの中から自分の興味・関心があるものを選択します。個人情報は厳密に管理され、その後の変更・削除も自由に行うことができます。
Vmailは、ユーザーのチェックしたカテゴリーに基づき、企業からの価値ある情報をEメールで配信します。たとえば、ワイン愛好家がワインショップから掘り出しものワインの新着入荷情報をメールで受け取る、といった利用が典型例です。
これにより、
1. ユーザーは興味のある情報だけを受け取ることができる
2. 売り手は、非常に購買確率の高いユーザーに接することができるという両者Win-Winの関係を提供します。
Vmailは、発信する情報の価値にこだわり、単なる広告配信サービスではない本格的なオプトイン・メールサービスを実現します。
このサービスが登場した時、プロモーション担当だった私は、「非常に効率的なサービスが出た!」と感動したものだ。しかし、多数のこうしたオプトインメール系のサービスを実施した結果、あることがわかった。
興味関心は移ろうって事
そう、ある一時点で、例えば、ワインに興味があった人も、半年後にワインに興味があるとは限らないということがわかったのだ。オプトインをしたタイミングでは、リアクションの率が高くても、時間経過とともに、その反応率は、普通のDMのようになっていったのだ。
※そのため、オプトインしたタイミングでメールを打てるという企画もあったが、今やメールマーケティング自体が下火になってきてるので、それほど有効ではなくなってしまったが。。残念。
また、一言で、ワイン好きといっても、その人のワイン好きの度合いがわからないのだ。
だから、この企画で大事なのは、「どのようにしてユーザーの今の興味関心、その深さをとらえるか?」という点にあった。
グーグル、アマゾンが持つビッグデータ
じゃあ、グーグルはどうか?グーグルはソーシャルグラフはそれほ土強く保持していないが、ある個人が検索という形で、いつどこで何に興味関心を持っていたか?というデータを持っている。
そして、大量のデータによって、ある検索傾向をもった人が、次に何に興味を持つか?という事を予想することもできるだろう。
アマゾンはどうか?大量の商品の購買データから、そのユーザーがどんな商品に対して興味を持ち、どのような頻度で購入をしているかを把握している。また同様に、その人が次に何を購入するか?という予想すら可能になっているはずだ。
ソーシャルグラフがあると何が可能になるのか?
さっきいった、オプトインメールの場合、関心DB(というのかな?)の更新タイミングがあまりない。
一方で、フェイスブックを始めとするソーシャルメディアは、リアルタイム性を売りにしているため、人と人の関係を構築するネタとして、モノや情報が行きかう。
そのリアルタイムな個人の興味関心は、データ化され、フェイスブックのデータとなる。もしかしたらフェイスブックは私の事よりも私の事を知っているのかもしれない。
このエントリをまとめる中で、福田が書いた以下のコメントは、すっきりと理解を促してくれるように思う。
1)関心によるつながりは昔から存在した。アマゾンの購入履歴、Googleの閲覧履歴をみれば、A、B二人の興味は把握できた。
2) 一方で、Aがサッカーが好きという情報が、サッカー好きのBにとってどれだけ重要かは把握できなかった。仮に遠方の知らない人がサッカー好きでもBにとっては関係ない。
3)AとBの関係性(兄弟?同僚?夫婦?)が明示的になっている場合は、その重要性をサービス側が理解できる。
4)facebookは実際の関係性の中で、共通の話題(一般的な天気、感情、趣味、友人)で会話がすすむサービスである。
5)インタレストグラフは、ソーシャルグラフの中に内在化されている基本概念のひとつである。インタレストグラフがないソーシャルグラフが存在しないので。
どうだろうか?
インタレストグラフ、もっとすごいコンセプトなのだろうか?ネット上、いや、それ以外の場所での購買経験も変えうる概念なのだろうか??うーん。
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