[クーポンサイト再考]レベニューマネジメント型へ進化したらいいのに。
ビジネスモデルを考える際に、「1.他業界の同一構造を確認する」という考え方があり、成功事例として、ホテルの空き室を管理するレベニューマネジメントがありました。
レベニューマネジメントとは、需要予測を基に、最適なタイミング・価格で適切な顧客層に商品を販売し、利益を最大化する手法のことを指します。主に飛行機の予約や、ホテルの予約などに使われています。
簡単にいうならば、
● 固定費が決っていて(客が多くても少なくても飛行機は飛ぶ)
● 需要に変動がある(夜遅くの便は不人気だけど、日中は満席)
という時に、売れる時間は高く、売れない時間は安く価格を設定することで、売上・利益の最大化を図りましょう。というものです。
一般的には、ホテルとか飛行機とかですが、構造的には、美容院やエステやマッサージ等のビジネスも人件費と家賃が主要なコストであり、同様の構造と考えられます。
後者の美容院等は、クーポンサイト(ホットペッパー等)や、グルーポン等のフラッシュマーケティングサイトでの集客が中心ですが、一歩進んで、在庫の管理という意味で、時間毎の価格差を管理できるレベニューマネジメント型のビジネスを考えたらいいのにって思います。
参考までに、2年位前に、美容室のビジネスで考えたコトがあったので、引用しておきます!
● グルーポンビジネスに関して
先日、富士屋ホテルという、ジョンレノンもチャップリンも宿泊したという、由緒正しいホテルのスイートに宿泊したんです。
宿泊の予約はグルーポン系サービスのどれかで予約したと思うのですが、10万円くらいなものを半額でとれたと思います。
部屋に温泉があって、サービスもよく大満足でした。夕食がついていないプランだったのですが、地場のお寿司屋さんにいっておいしい食事も食べることができました。
● グルーポンのビジネスモデル
で、一方、グルーポンの悪評はよく耳にします。お店側の悲鳴もありますし、利用者側の苦情もあります。
一般的なグルーポン型のビジネスモデルとして、1万円の商品があるとして、それを50%OFFで販売をします。50%OFFの5000円をグルーポンとお店側で分け合う形となります。
※ このグルーポンがもつ50%のフィーも競合等の環境の変化により、おそらく低下するものと思います。
店舗側からすると、通常1万円の売上げがあがるサービスから、2500円の売上げしかあがりません。これでは利益がでないのも頷けます。(そもそもそういうビジネスモデルと理解して利用していないの??という疑問もありますが。)
● ホテルの場合
それで私が利用したホテルですが、ここも同じような状況が発生しているのでしょうか。もちろんサービスの対価として、通常の1/4しか得られないので、よい状況というわけではありませんが、そこまでの負担にはなっていないのではないかと思います。
なぜならば、ホテルの経費の多くはすでに固定だからだからです。ホテルの維持費や従業員の給料などは、お客が入ろうが、入らなかろうが固定です。宿泊客がいようがいなかろうが経費はかかってしまいます。
もちろんクーポンでリリースされたプランが、夕食がついていないプランというのも経費を増加させないためには重要だったのでしょう。
箱根の歴史ある温泉ホテルが、新しい顧客開拓のために、経費が増加しづらいプランを提供するというのは理にかなった話です。(駅やテレビCMなどをどんなに増加させようと、箱根の老舗ホテルにいこうとは思わなかったでしょうし。)
逆に、顧客の増加がリニアに、経費の増加につながるモデルは、グルーポン型のサービスにはあまり不向きとなります。
● グルーポン型サービスが向いている業態
では、どのようなサービスがグルーポン型サービスを利用するのに向いているのでしょうか。
経費の多くがすでに固定となっているビジネスは向いていると思います。
たとえば。
・ ホテル、旅館等の宿泊サービス
・ 貸し会議室等の場所貸しサービス
・ 美容院やマッサージ等の人が提供するサービス
といったものが、その代表格になると思います。
ですが、この場合、既存利用者からの売上げ減少というリスクがありますので、曜日や時間などによって繁閑がある事業が合致します。
たとえば、
美容院などは、会社員は土日に行く人がほとんどでしょうし、
ホテルなども、金曜日、土曜日の宿泊が中心のはずです。
そういった時間以外の比較的すいている時間帯であれば、経費が変わらないのであれば、安価で提供できるはずです。
もちろん空いている時間帯は従業員の休日に使ったりしているとは思いますが、だからといってある程度の人員は用意しなければいけません。たとえば、10席ある美容院の平日にあまりこないからといって1名しか美容師がいないということは少ないはずです。
それらの時間を有効につかうことで、経費の上昇を抑えながら、売上をあげることが可能になるはずです。
● 今後の方向性
私の仕事は企画になりますので、企画において中庸さや、凡庸さが致命傷であることは重々承知していますが、グルーポンの50%OFFというのは過剰に思います。また売上におけるフィーが50%というのも過剰です。
この辺りをもう少し最適化し、かつ長期的に全てのプレイヤーが喜んでもらえるサービスはできないものでしょうか。
まずは販売対象を限定することが必要なように思います。
□ 経費の多くが固定費である。(場所代や人件費等)
□ メディア側のフィーがリーズナブルである。
□ 閑散期(時間・曜日)を対象にしたビジネスである。
例えば以下のようなモデルです。
● 企画案
● 美容院の時間指定での予約サイト
– 美容院は空いている曜日、時間を指定して安価な料金設定。
– 利用者は時間指定で予約。その時点で決済。
– 営業をかかえないので、媒体側のフィーは10%程度。
今の「グルーポン型サービスは悪」という風潮はちょっとおかしいかなと思います、逆にユーザーや企業がちゃんとサービス自体を理解すれば非常に有用なサービスとなります。
サービスの認知度はあがっている今だからこそ、本質的な価値を提供することでサービス展開は可能かなと思ってます!
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